AT様邸 Renovation

 

 

当社代表の自邸として、築50年のマンションをリノベーションした。

元々ダイニングとキッチンに窓がなく薄暗い空間であったため、

明るいリビングとなるよう間取りを変更した。

2LDKであった間取りは1LDK+畳スペース(小上がり)とし、

家族の中心となるリビングスペースを大切にした計画である。

畳スペースは腰掛けることもできるようにし、

畳スペースとリビングダイニングで目線高さが合うようにした。

奥まって孤立していたキッチンは正面の壁を一部取り除き対面式とすることで、

家族との会話が楽しめる明るく開放的なキッチンとなった。

既存キッチンと新たに造作したカウンター・背面壁は塗材(モールテックス)によって一繋ぎとし、

既存キッチンがまるでオーダーメイドキッチンであるような仕上げとしている。

 

収納は裏動線のウォークインクローゼットにまとめ、

季節ものや使用頻度の低いものは小上がり下に設けた収納スペースにしまうことで、

住宅内の収納に充てる面積を最小限とすることができた。

結果的に節約できた面積をLDK+畳スペースに取り込むことで21.7帖の大空間を計画でき、

同等の占有面積をもつマンションに比べて圧倒的に開放的で広がりを感じる生活が可能となった。

ウォークインクローゼットは回遊動線とすることで、効率的な家事動線・生活動線となるよう計画している。

 

畳スペースに設けた造作机は自宅での作業スペースであり、子どもが成長した際にはここで勉強ができる。

長時間の作業でも快適であるために、造作机はわざと少し高く設定し、畳にクッション椅子を敷くことを前提としている。

リビングに面する三方にロールスクリーンを設置し、子供の昼寝時や急な来客時に畳スペースを区切ることができる。

子どもが大きくなる頃には主寝室を子ども部屋に、夫婦は畳スペースを寝室として独立させる間取りが事前に提案されている。

 

将来的な間取り・住まい方を設計時から想定し提案することが、永く住まう家づくりにおいてとても重要である。

 

所在地 : 京都市(2024年)

主要用途 : 住宅/マンションリノベーション

家族構成 : 夫婦+子ども1人 

規模 : 1フロア/ 67㎡ ※外部トランクルーム含む

構造 : RC造(既存躯体)

施工 : パイツホーム

造作家具: 楠設計室(TVボード)

写真 : 鹿間 大貴